「間違いないっ!」パソコンの選び方

【CPU】パソコンの頭脳

(最近のCPUにピンはありませんが・・・)

パソコンの性能表で一番注目すべき所

 CPUとは、Central Processing Unitの略で、中央処理装置と訳します。
 簡単に言えば頭脳の事で、ほぼ全ての命令を計算・処理・加工しています。

 

 パソコン用CPUの製造メーカーは米intel(インテル)社と、米AMD(エーエムディー)社の2社です。
 この2社以外にもありはしますが、まず見かけませんし、買う必要もありません。

 

 「間違いのないパソコンの選び方」という観点では、intel製CPUが搭載されているPCを選びましょう。
 AMD製は一般的ではなく玄人向きで、ここ最近はintel製CPUの性能に太刀打ち出来ず、わざわざAMD製を選ぶ程のメリットがほとんどありません。

 

 インテルのCPUの場合、例外はありますが基本的に以下のような序列になります。
 Core i7 > Core i5 > Core i3 > Core2 > Pentium > Celeron > Atom

 

 このサイトでは、主に上位三つの「Core i」シリーズを取り上げます。
 Core2以上のCPUは、「2コア(またはデュアルコア)」とか「4コア(またはクアッドコア)」という言葉がよく出てきます。
 これは、一つのCPUダイの中に複数のプロセッサコア(頭脳)が入っていて、パソコンからはいくつものCPUがあるように認識され、作業効率を高めています。
 チョット難しい説明になってしまうので、ここでは簡単に「コアの数は作業員の数(頭脳の数)」と思っておいて下さい。
 厳密に言うとおかしい例えもありますが、分りやすさを優先します。


クロック数は見るな。モデル名を見ろ

 


パソコン初心者で多いのが、クロック周波数が高い方が処理が速いという勘違いです。

 確かに間違いではないのですが・・・

 

 クロック周波数とは、CPU内部で1秒間に電圧の最大値と最小値を繰り返して処理の同期を取るためのテンポのことで、パソコンのチラシなどのCPUの欄に書かれている、「2.5GHz(ギガヘルツ)」とか「1.6GHz」などと記載されている数字です。
 もっと身近な例を上げると、家庭用コンセントの周波数があります。東日本は50Hz、西日本は60Hzで、1秒間に50回、もしくは60回+と-が入れ替わっているという意味になるのですが、2.0GhzのCPUの場合、電圧の最大値と最小値を1秒間に2,000,000,000回繰り返している事になり、非常に高速です。
 この数字が大きければ大きい程処理が速いと勘違いしてしまいがちです。

 

 7,8年くらい前までならその解釈で良かったのですが、4GHzの壁にぶち当たった頃から色々と問題が出始め、現在ではクロック周波数速度よりも、1クロックでいかに効率よく処理させるかに重きが置かれており、結果的に飛躍的な性能向上につながりました。

 

 少しマニアックな内容になりますが、CPUの性能を数字で表すPassMarkというソフトがありますので少し検証してみましょう。
 クロック周波数至上主義だった2005年発売の「Pentium4 672」というCPUは、歴代最速クロックの3.8GHzを誇っていました。
 2008年発売の「Core2 Duo E8600」というCPUは当時最速で、クロック周波数は3.33GHzでした。
 2011年1月に発売さた「Core i5-2500K」というCPUは、ほぼ同じ3.3GHzです。現在のCPUの中では「中の上」という位置づけです。
 この3つを選んだ基準はクロック周波数のみです。
 クロック周波数=速度であるなら、Pentium4 672 > Core2 Duo E8600 > Core i5-2500Kという順になるハズです。

 

 では、PassMarkでの結果はというと・・・

 Pentium4 672 3.80GHz =852
 Core2 Duo E8600 3.33GHz =3537
 Core i5-2500K 3.3GHz =9961

 Pentium4とCore i5は実に10倍以上の性能差があります。

 

 i7とi5を比べても、

 Core i5-2500K 3.3GHz =9961
 Core i7-2600K 3.4GHz =13411

 クロック周波数はそんなに変わらなくても、実際の性能は結構な差があります。

 

 少し長くなりましたが、

CPUの性能はクロック周波数も一つの要素ではありますが、絶対ではありません。

 クロック周波数よりも「i7-2700K」、「i5-2400」といったモデル名を重視しましょう。

 

 現在選べるCPUの性能は、先にも述べましたが基本的に Core i7 > Core i5 > Core i3 という位置付けになります。

Core i7シリーズ 上級者、プロ向け

Core i7

 2012年2月末時点で最速とされているのが、このi7シリーズです。

 

 デスクトップ向けi7は4コア8スレッド
 これは同時に2つのことができる作業員が4人いると考えて下さい。
 また、ターボブースト機能が装備されています。
 この機能は、4人の中でお休みしている人がいる時、出勤している人は忙しい時に栄養剤でドーピングしてまでファイト一発頑張ってくれる機能です。

 

 ノート向けはモデル名に「M」が付き、2コアと4コアのモデルがあります。
 どちらもHyper-Threadingが搭載されているので、2コア4スレッド、もしくは4コア8スレッドとなります。
 4コアの場合はモデル名が「QM」となるので見分ける事ができます。当然消費電力が大きいので、バッテリー駆動時間が短くなります。

 

 特にデスクトップ向けi7は超高性能で、

高性能すぎて一般人には使いこなせません。

 4つのコアに2つの処理を同時にさせる・・・4人の作業員にそれぞれ2つの仕事を同時に行わせるには、指示する側の人間にもそれなりの能力が必要ですので、超難関のITストラテジスト資格を持っているようなITのプロや、パソコン=ゲーム機と思って疑わないコアゲーマー、性能を所有する喜びを感じるセレブでもない限り必要ありませんし、必要になる事もまずありません。

 

 家電量販店で「i7の方が速いですよ」と言われますが、一般の方は4コア8スレッドを要求するようなソフトを使う事自体がありません。
 デスクトップでi7搭載パソコンは高額ですので、自分が本当にi7が必要なのかどうかを検討して下さい。
 一部モデルには6コア12スレッドなんてのもありますが、CPU単体で5万円以上するので変態向けです。

 

 ノート用であればi7を視野に入れてもいいと思いますが、「QM」が付く4コアモデルは「ゲーミングノートPC」というゲーマー向けノートパソコンによく搭載されています。
 ノートだとグラフィック機能が貧弱で最新の3Dオンラインゲームがグリグリ動くワケでもないので、ゲームはデスクトップでやれよと思ってしまいますし、平均バッテリー駆動時間が3時間程度と、持ち運ぶ事が多いノートには厳しいことから、2コア4スレッド版をお勧めします。


Core i5シリーズ 一般向け

大概の事は何でも出来る偉い子

 i5は一般向けに開発されているので、多くの方はこのi5を選べば間違いありません。
 デスクトップ用は4コア4スレッド、ノート用は2コア2スレッド。ターボブースト装備です。

 

 i7との最大の違いはHT(Hyper-Threading)がない事。一つのコアは一つの作業しか行えません。
 i7が最低条件というソフトはほとんどない(ゲームも含む)ので、i5なら現在のほとんどのソフトを快適に利用できます。
 ネットの記事を見ながら株取引をしたり、映画を見ながらブログを書いたり・・・

 

初心者から中・上級者まで使える器の大きなCPUです。

Core i3シリーズ 安価で一般・初心者向け

 2コア4スレッド
 ターボブーストは装備していません

 

 i5でも結構高性能で、性能を使い切る事はあまりアリマセン。
 一般的なネットサーフィン、デジカメ画像編集、オフィス作業などであれば、i3でも十分です。

 

 安価なPCに搭載されている事が多く、さらに安価で売られているCore2やCeleron、Atomよりは圧倒的な性能を持っています。
 CeleronやAtomだと使用目的がかなり限定されてしまうので、予算が厳しくてもi3は欲しい所。
 i3でも、筆者がつい先日までほとんど不満なく使用していたパソコンより高性能です。

 

 しかしながら、予算という厳しい条件をある程度クリアできるのであれば、i5を選んだほうが無難です。
 パソコンというのは、慣れてくると色々な事をやりたくなってきます。
 今は興味がなくても、数ヶ月先に動画編集をしたくなるかもしれません。
 数ヶ月先に面白そうなゲームに目が向くかもしれません。
 そんな時、i3だとちょっと不満が出てきます。

 

 安物買いのなんとやらという言葉もある通り、i5との価格差はそんなにありませんので、i5を優先的に検討する事をお勧めします。

 

i5を優先的に検討しよう!

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